「設立間もないベンチャーに特有の病が市場志向の欠如である。」という一文が印象的なページだ。
一昔前のネット系ベンチャーキャピタルの関心といえば「革新的な技術力」であった。今までに類を見ない新たな技術によって他のサービスを圧倒し、急速な成長を遂げてくれそうな支援先を必死で探していた姿が懐かしい。
だが皮肉なことに、そうしたキャピタルの支援を受けるベンチャーがことごとく圧倒していたのはコンペティターではなく、彼らの主たる顧客であるユーザであった。当時は通信回線の利用料が高く、ネット利用がピークを迎えるのは22〜23時頃。ユーザは限られた時間で簡単に楽しめるサービスを必要としていた。全く新しいサービスを学習するための時間が十分ではなかったのだ。
「主体変容」とはカリスマ教師の原田隆史先生が伝える言葉だが、組織自身にもこの意識がないと顧客からの信頼は得られないことになる。自己都合を言い訳に顧客を変えようとする行為は事業の目的から外れるはずだ。
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