本日のページは、「機会志向型組織」について触れられている。
原著”The Daily Drucker”の冒頭文は、「組織には重心がある。(Organization have a gravity...)」という言葉から始まっている点が印象的なこのページ、組織の”重心”を”過去の時間”(この場合、問題解決に割く時間)ではなく、”未来の時間”(未来の行動やイノベーションに繋げる時間)にシフトする必要性を強く感じさせてくれる。
兎角ビジネスというと利益を生むためには「〜しなければならない。」「〜しなければ嘘だ。」「普通は〜のはずだ。」というネガティブな印象を前提にしてしまう傾向があるが、本来、事業の目的は「顧客の創造」である。苦しんで顧客を創造する必要はないし、苦しんでいる者による顧客の創造は短命に終わるはずだ。
時間というリソース(資源)は全く不思議な存在で、有限であり、無限でもある。同じ1時間を過去に使い出すと、いくらあっても時間が不足してゆく。一方、未来に使うことで、無限に時間を生み出せる事に驚きさえ感じる。これを組織が理解し出すと、従来の常識では実現し得なかった事がいとも簡単に実現できる奇跡が起こる。
当社でも、何か問題があった時は、「報告の冒頭に『せっかく』という言葉を入れてください。」と言う事がある。「実は・・・」から始めると、次は「なぜなら・・・」になる。これには際限なく時間が必要となるが、「せっかく・・・ので、」と始めると、「次からは・・・」となる。殆どの場合、短時間かつ笑顔の内に次に為されるべき事が明確になってくる。
笑顔にならないと脳が開かない。
昨今、脳科学の研究においても、笑顔が生み出す無限の可能性についても立証されつつあるが、そうした単にテクニカルな手法のみにフォーカスすべきではない。組織のスタッフが求めている本当の成果は何なのかを常に問い続け、それを後方から見ながら愚直に支援し続けることで、ある日突然、しかも想像より早い段階で、組織やそこに関わる人々が「屈託ない笑顔」と「想定外のイノベーション(奇跡)」に包まれる日が来るのだと感じている。
Today's Questions.
Q:組織内で、誰からも好かれている人の誕生日に、サプライズ・パーティーを開くことになったとします。やる事が決まったとたん、あっという間にしかも楽しい雰囲気で物事が決まり出しますよね。この時の全体の進め方(目的の明確化、呼ぶメンバーの選定、担当の選定、スケジューリング、当日の運営方法 等々)を、実際の仕事にそのまま活かすには、どの様にすれば良いですか?
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8月31日”マネジメントが変革と継続のバランスを実現する。”
明日の「Drucker365」は、本日の内容と重複する部分が多いので、お休みをいただきます。次回、月曜日の投稿をお楽しみに。
顧客を創造するのに、
返信削除苦痛はないですよね。
同感、同感。
ええ、仕事は楽しんでも良いのです。
返信削除楽しまなければ、良い成果には繋がりません。
本来、人は楽しい事を欲すると思いますが、こと仕事の場ではなかなか笑顔がでてきません。これはなぜでしょう?
ここ10年間、これを常に問い続けてきた気がします。
現時点において、個人的に思うのは、人は楽しむ事、笑顔でいる事で、自らの貢献や成果に責任を持つ必要性が発生することに”無意識の領域”で気付いているからだと考えています。
特に仕事の場では、様々な場面で自らの良心に素直に反応し、為されるべき事に正面から向き合わないことには、本当の笑顔は生まれてこない様です。
これはなかなか根深い課題で、そう簡単に組織の雰囲気が変わるわけではありません。経営者でなくとも、組織の中の誰でも結構です。一人でも多くの人(たった数人でも構いません!)が夢を語り、仕事だけでなく、人生を楽しんでいる必要があります。
是非、仕事や人生を楽しみ方法を編み出して下さい。そのためにはまず自分の強みと向き合う必要がありますよね。
長文にて失礼しました。