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2009年11月10日火曜日

”現在行っていることの廃棄は体系的に行わなければならない。”(P.F.ドラッカー)

 
本日の”ドラッカー 365の金言”は、「体系的廃棄」について。すべての活動において、廃棄を目的とした定例会議を開く会社が紹介されている。

組織を生命体として捉えれば、我々は今行っている活動の代謝を高め続ける必要がある。そのためには自らを陳腐化し、ムダな贅肉は定期的にそぎ落とすことで、しなやかに環境に順応していかなくてはならない。

製造業やサービス業では生産性向上のために定期的に実施される「5S活動(Wiki)」というのが有名だが、”体系的廃棄”とはいわば、”知識労働における5S活動”とも言えるのかも知れない。

そして、5S活動の中でも「赤札作戦」という活動があるが、この赤札作戦が最も知識労働における5S活動の参考になるのではないかと思う。ここで簡単に説明しておきたい。

赤札作戦とは、「あるモノを、”いるモノ”と”いらないモノ”に仕分ける」全社的活動で、(方法は様々だが)あるモノ全てに赤札を貼り、一定期間内(1週間、1ヶ月、1年間)に使用したものの札を剥がしていく。期間を過ぎても札が残っているものは廃棄するか、使用頻度に考慮して置く場所を変更する、といったシンプルで効果的な活動だ。

ちなみに、赤札作戦に似た豪快な活動では、一旦工場内にあるモノを(設備も含め)全てを工場の外に放り出し、その時必要なモノだけをその都度工場内に持ち帰るという方法があるらしい。この活動をすると、殆どのモノが1ヶ月以内に工場に戻らず、多くの作業員も手持ち無沙汰になってしまったという話を聞いた。

では、いかにして知識労働における赤札作戦を実行できるか?上記のように、一旦全て止めてみるというのも手かも知れないが、あまりにリスクが大きいので、今日からでも始められる方法を考えたい。

知識労働はモノの様に存在自体に札を貼ることはできないので、意図的に可視化してやる必要がある。

①あらゆる活動のリストを作成する
(組織全体で時間を取られている順に並べる)

②リストの上から、以下の問いに照らし合わせていく。
Q:もし今やっていなかったとしたら、同じ方法で始めるか?
Q:やめたら、直ちに顧客に迷惑がかかるか?

③両方の答えがNOであれば、一旦止めてみて様子を見る。

一点、注意したいのは一部の階層の人間だけでこの決定をすべきでないという事だ。様々な階層の人の意見が参加できるよう工夫することで、組織全体としてその活動がどの様な意味を持つのか再認識することができるのだと思う。

また知識労働における活動は、長期間に成果を出す活動と、短期的に成果を出す活動が存在するので、短絡的に捨ててしまうのではなく、常にその辺り(長期、短期、その成果)の議論がなされていることに大きな価値があると思う。

最後に、リーダーは振り向かない。「じゃあ、今までは何だったんだ・・・・。」という過去の時間に浸かった台詞を口にせず、「どうやってこの空いた時間を活かしていこうか?」といった方向で考えよう。


Today's Questions.
Q:今の事業、やっていなかったとしたら、また参入しますか?
Q:今の顧客、付き合っていなかったとしたら、また取引しますか?

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11月11日”娘の嫁ぎ先を探すのであれば娘が最高の妻となる男でなければならない。”
事業売却のお話です。お楽しみに。

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