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2009年11月24日火曜日

”事業ごとに組織を組み立てられなくとも疑似分権制がある。”(P.F.ドラッカー)

 
本日の”ドラッカー 365の金言”は、ドラッカー教授が”疑似分権制(simulated decentralization)”と呼んでいる、部門別独立採算制についての説明だ。

現組織を分社化し、独立採算にすることが難しい場合であっても、部門を一つの会社と捉えることでその損益を擬似的に計上する手法で、管理業務等の部門間で行われている活動についてはコストに20%の利益を上乗せする等して取引することを薦めている。

これは京セラの創業者、稲盛和夫氏による「アメーバ経営」を身近に学ぶことができる我々日本人にとっては非常に理解しやすい話だ。

稲盛氏の公式サイトを見ると、アメーバ経営の誕生についてこう述べられている。

京セラが急速に発展し、規模が拡大するなかで、私は、ともに苦楽を分かち合い、経営の重責を担う共同経営者がほしい、と心の底から願うようになった。そこで、会社の組織を「アメーバ」と呼ばれる小集団に分け、社内からリーダーを選び、その経営を任せることで、経営者意識を持つリーダー、つまり共同経営者を多数育成した。(稲盛和夫公式サイト「アメーバ経営とは」より)


そして、「アメーバ経営」の目的については以下の3つが挙げられていた。

  1. 市場に直結した部門別採算制度の確立
    会社経営の原理原則は、売上を最大にして、経費を最小にしていくことである。この原則を全社にわたって実践していくため、組織を小さなユニットに分けて、市場の動きに即座に対応できるような部門別採算管理をおこなう。

  2. 経営者意識を持つ人材の育成
    組織を必要に応じて小さなユニットに分割し、中小企業の連合体として会社を再構成する。そのユニットの経営を、アメーバリーダーに任せることによって、経営者意識を持った人材を育成していく。

  3. 全員参加経営の実現
    全従業員が、会社の発展のために力を合わせて経営に参加し、生きがいや達成感を持って働くことができる「全員参加経営」を実現する。

部門別独立採算制を徹底することで、部門別の経営状況を見える化すると同時に、全員の経営感覚を養いながら未来のリーダーを育成することができる点が素晴らしい。

コスト意識が強まることで相互の協力が疎かになる可能性もあるが、その点は昨日書いたように、部門をまたいで見渡せる人間が目を光らせ、会社全体のリソースとして最終的な意思決定をすべきだろう。

当社でもやっとこの取り組みができる体制が整ってきた。最大限の責任と権限をより多くの人に提供することで、優れた経営者育成機関にしていきたいと思う。


Today's Question.
Q:部門別会計に取り組んでいますか?

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11月25日”組織内の活動は組織全体への貢献によってすべて位置づけなければならない。”
組織内の活動をどのように位置づけるべきか、というお話です。お楽しみに。

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