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2009年11月11日水曜日

”娘の嫁ぎ先を探すのであれば娘が最高の妻となる男でなければならない。”(P.F.ドラッカー)

 
本日の”ドラッカー 365の金言”は、「マネジメントー課題、責任、実践」からの抜粋で、事業売却における注意点について説明されている。”事業売却”というと大手に限られた話のように聞こえてしまうが、必ずしもそうとは限らない。

事業の”選択と集中”を推進する中、自らの組織にとって不要な事業が明らかになってくることがある。そうした事業を切り離す際、我々が注意すべき事は、「(自らが)要らないからといって、汚れた状態で、梱包もせず、説明書もない状態で人に贈ろうと思うな。」とドラッカー教授は言いたいのではないだろうか。

自らの組織の”強み”を発揮させるためには、自組織が得意とする分野に絞り込んでゆく必要がある。効率の悪い事業や仕事については廃棄していくわけだが、単純に「儲からない」からといって他社に投げつけてしまうのは全く得策ではないと思うのだ。

その事業や仕事も、社会においては何らかの重要な役割を担っているわけで、自らの組織が「儲からない」からといって、あえて他の組織で「儲からない」事業にすべきではない。

よって、「儲からないので切り離すべき事業や仕事は何か?」という利己的な問いだけではなく、「他の組織に任せるべき事業や仕事は何か?」と問うことで、一気に手離れをよくすることができるはずだ。

事業売却や営業譲渡には必ずその事業の新たなる担い手となる買い手(顧客)がいる事を忘れてはいけない。我々にはそのためのマーケティングが必要なのだ。

アウトソーシング(外注)を検討する際も、同様の意思決定が必要となる。

当社で”なかなか利益が出にくい部品”の加工がある。当社の場合は比較的精度の高い部品を得意とするため、あまり高精度でない(単価も安い)部品の加工に貴重な設備を占有させてしまうと、利益が出にくいと同時に、お客様が当社の旨味を十分に味わいきれない状態が発生してしまう。

これは、自らの組織から見れば、「儲からないなぁ。」で済むかも知れないが、顧客や社会の側から見てみると直ちに改善すべき点になるはずだ。

よって、当社がまずすべきことは、今までその部品の加工をしてきた上で培った特有のノウハウを可能な限り”買い手側”に開示、その加工に必要な備品等も提供(又は貸与)、軌道に乗るまでの加工指導、等である。それらを検討して初めてその仕事が他の組織に売れてゆく(手離れする)と思うのだ。

中長期的に見て、”買い手側”にとって良い仕事にならないのであれば、社会のエコシステム(循環型生態系)は近い将来崩壊してしまうだろう。その悪影響はいつしか必ず自らの組織にも廻ってくるはずであり、こうした点にはそれぞれの組織が十分に注意を払うべきだと思う。

あまりにもこの点について我々は利己的になりすぎて、お互いの足を引っ張っていることにそろそろ気づかなくてはならない。儲からないからといって、”売り手”が棄てる事業や仕事に、いつまでも”買い手”がつくと思ったら、それは大きな間違いである。


Today's Questions.
Q:どの組織に、どの事業を任せるべきですか?
Q:そして、あなたの組織はどの仕事で強みを発揮すべきですか?

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11月12日”マネジメントの成果は5つの仕事で決まる。”
マネジメントの基本についての紹介です。明日もどうぞお楽しみに。

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