本日の”ドラッカー 365の金言”は、組織の外部に向けた感覚器官の重要性について触れられている。組織の内部にはコストしか存在せず、成果は常に組織の外に存在するため、われわれは常に外部を意識しつづける必要がある。
本日のページのアクション・ポイントで、ドラッカー教授は以下の5つの要素を常に意識し、組織が体系的に知覚する仕掛けを作る必要がある、と伝えている。
①顧客満足度
②既存顧客以外の購買行動(buying habits)
③技術革新
④競争相手
⑤政府の動向
理屈の上ではこれをよく理解しつつも、社内のことに対応するだけで一日はあっという間に過ぎるし、社外の変化からは目を背けてしまいがちだ。なぜこうしたことが起きてしまうのだろう。
以前、>SWOT分析(Wiki)を試みて感じたことだが、”内的要因”とされる、S(強み:Strengths)とW(弱み:Weaknesses)については、一旦列挙すると、それが数ヶ月で大きく変化することは珍しい。しかし、”外的要因”とされる、O(機会:Opportunities)とS(脅威:Threats)については、日々、新たな情報を得るごとに刻々と変化している。
インターネット等、情報インフラの高度化に伴い、絶対的な情報の量の増加と伝達速度が急速に向上したため、”外部変化による事業の陳腐化”もそれと同様に速度を上げている。
しかし、外部の変化と向き合うには大きな勇気が必要だ。それは今までと異なる行動、時には今までと正反対の行動を求められるからだ。これまで必死に努力してきた仕事を、今日入手した情報によって、手放すことを決断しなければならない可能性もある。
よって、ことに”直ちに行動の変化”を余儀なくされる情報には「見ざる、聞かざる、言わざる」の姿勢で流してしまいがちだ。だからこそ、これが組織の命取りになってしまう。
このような外部の事実を、たった一人で受け止めるのは不可能に等しいだろう。組織として、生き残りたいと思うのであれば、問題を気軽に話し合える環境をトップが率先してつくり、より多くの勇気ある人間で外に目を向け、社会に必要とされるままに組織を順応させていけるよう、精進したい。
ご存じの通り、ドラッカー教授は、「現代の経営(ダイヤモンド社)」において、「企業の目的は顧客の創造であることから、企業には2つの基本的な機能が存在することになる。すなわち、マーケティングとイノベーションである。」と説いている。
マーケティングは”外部を知覚すること”、イノベーションは”内部を変革すること”に繋がるのだと思う。
Today's Questions.
Q:外部を知覚し、内部を変革する仕組みが整っていますか?
Q:顧客の生の声に触れていますか?
Q:顧客はあなたの組織やサービスを本当に満足していますか?
Q:顧客の購買方針の意思決定方法は何を見本にしていますか?
Q:顧客はどの様にして新たな情報を入手していますか?
Q:機会と脅威に関わりそうな展示会に出向いていますか?
Q:競争相手についてどの程度知っていますか?
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9月26日”データ化できないものを考えなければならない。”
データ化できるものと、できないもの、両方を感じ取れる組織にならなければなりません。お楽しみに。
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