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2009年8月26日水曜日

”研究成果を売る”

 
本日のページには研究開発戦略の一つ、「目的限定型」のスタイルをとったベイカー社(Baker)の事例が紹介されている。

ベイカー社は、昨日紹介されていたエイブル社(Able)の様な、リーダー的研究開発企業が総力結集型戦略によって開拓した市場において、基礎研究無しに研究開発を行う、といった”二番手戦略”的スタイルをとる。

しかし、同社のユニークな点は、開発したアイディアの内、業界標準になり得る2〜3割のみを自社で製品化し、残りの研究成果は全て他社に売ってしまうところだ。これにより、エイブル社の特許収入は本業である薬の販売と同等であるというから驚きだ。

そして、この話で最も注目すべき点は、エイブル社が”製品化”と”知識としての商品化(特許のライセンス)”を選択する判断基準にある。同社は以下の3つの問いを元にその意思決定を行う。

①新たな業界標準になり得るか?
②(健康維持から治療まで)すべてのプロセスに大きな変革を与えられるか?
③長年にわたって標準でいられるか?

同社は、これら3つの質問に対する答えが一つでも”No(ノー)”の場合、一切自社生産せず、知識としての商品化を選択する。

市場リーダーになるためには必ずしも”総力結集型戦略”が必要なわけではない。誰でも比較的容易に判断できる”ストイックな視点”を経営の意思決定ツールとして設置することで、ムダな労力を使わずに選択と集中を行い、市場にはリーダー的存在として認知される事ができるのだ。

重要な意思決定にこそ、組織のより多くの人間がその経営判断に参加できるような”シンプルかつ切れ味の鋭い質問”を用意しておきたい。

Today's Questions.
Q:長年に渡り、業界標準になり得る仕事に集中していますか?
Q:製品やサービスの他、知識を商品化することできますか?
Q:重要な意思決定にスタッフを参加させていますか?

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8月27日”小さな改善が独占的な地位を与える分野を求める。”
明日は、3つ目のニッチ追求型の研究開発戦略を行ったチャーリー社が紹介されています。お楽しみに。

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