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2010年2月21日日曜日

”中央の計画によって経済を動かす社会は全て滅びる。”(P.F.ドラッカー)

 
本日の”ドラッカー 365の金言”は、「現代の経営」からの抜粋。

”今日では、一般社員とされている人たちの多くがマネジメントの仕事を行わなければならない。”と始まる本日のページ。

従来の様に、一部のカリスマ的リーダーが運営する中央指令型組織の危険性は環境順応能力にあると言えるだろう。組織全体の能力が一人(または少数)のリーダーの能力に依存してしまいがちなこうした組織では、環境の変化に対する知覚神経(センサー)が不足し、社会に鈍感になってしまう傾向がある。

昨今の通り、乱気流の時代を乗り切るには、組織内(そして可能であれば、取引業者、社員の家族等々、その組織に関わる全ての人)が変化をつぶさに感じ取るセンサーとして機能し、知覚した情報の本質を理解し、淡々と対応策を実施し続けなればならない。

環境変化に対応できない小さな中枢神経によって、巨大な体をコントロールしようとした恐竜と同じように滅びる。(P.F.ドラッカー)


以前も書いたとおり、この時代、組織の”鈍感”は死に直結する。鈍感には大きく分けて2種類の鈍感が存在すると感じている。「知覚なしの鈍感」と「知覚ありの鈍感」だ。

まず前者は、単純に能力不足による鈍感。変化を変化として捉える能力が無い組織だ。通念では予想外の出来事、予期せぬ成功や失敗の他、直感的に「ん?」と感じた事には大抵何らかの理由が深いところに隠れている。しかしそれを「これは”すでに起こった未来”である」と受け取れなければ、遅かれ早かれ全く理解できないままに大きな乱気流に飲み込まれることになるだろう。

そして、後者「知覚ありの鈍感」には、主に2種類のケースが存在すると見ている。

①一部のスタッフは知覚しているにも関わらず、意思決定者に伝達されない場合
②意思決定者が知覚しているにも関わらず、現状を維持してしまう場合

①の原因は、知覚したスタッフ自身が現実逃避してしまって、意思決定者に伝達しないままになってしまう場合と、意思決定者がスタッフからの報告を自らの意思決定に活かせていない場合が考えられる。

②の原因は、意思決定者が”なされるべきこと”に基づいておらず、自らの好き嫌いで意思決定する結果であるといえるだろう。「そんなはずはない」「こうなるはずだ」といった現実逃避や、「こうであって欲しい」「こうしたい」といった根拠のない期待や個人の好みで組織を煽動してしまうパターンだ。

いずれも、物理的には楽かもしれないが、精神的には「このままでは変化に順応できない」と誰もが感じるため、常に良心の呵責に苦しむことになってしまい、結果的に強いストレスが伴う。

こうした状況を避けるためには、トップ自らが方針転換しないと難しい。「今後は私の独断ではなく、全員で意思決定したい」と伝え、実践する必要がある。

しかし、(多くの場合)高齢のトップがその様に大きな方向転換をするのは極めて困難だ。その場合は、部下から”責任ある選択”を始め、規模は小さくとも今居る組織を自立させ、成果を出すほかないだろう。

”なされるべきこと”に明確にし、”私は”ではなく、”われわれは”と習慣的に考え、行動し始める必要がある。

チームで責任ある選択を追求するスリル、その努力の結果、勝ち取る”真の自由”、楽しさを身をもって経験ことで、必ず周りにとっても憧れの存在になるはずだ。

あなたの行動でそこまで周囲を牽引することができたとすれば、それが全体に浸透するまでにそう長い時間は必要としないだろう。


Today's Question.
Q:緊急性は低いが、やがてくる大きな変化の波に、あなたは今どの様な行動を始めればよいのでしょうか?


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2月23日”諸々の新しい課題が違う形の政府を必要とする。”
明日はお休みとなります。明後日(2/23)またお会いしましょう。

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