昨日の内容と大きく重なる部分があるが、本日の”ドラッカー 365の金言”は、正しい事から始めることの大切さについての記述となっている。この場合の「正しい事」は、「なされるべき事」に繋がると考えて良いだろう。妥協にも種類があるという点も大変参考になるページだ。
本日のページの引用先は「経営者の条件(ダイヤモンド社)」だが、この他に以下のような記述がある。残酷な表現も含まれているので、嫌悪感をも感じるかも知れないが、我々の目的は”二つの妥協の違い”の見極め方なので、この意味合いに注目しよう。
妥協には二つの種類がある。一つは古い諺の「半切れのパンでも、ないよりはまし」であり、もう一つはソロモン王の裁きの「半分の赤ん坊は、いないより悪い」という認識に基づく。前者では半分は必要条件を満たす。パンの目的は食用であり半切れのパンは食用となる。しかし半分の赤ん坊は必要条件を満たさない。半分の赤ん坊は命あるものとしての子供の半分ではなく、二つに分けられた赤ん坊の死骸である。
そもそも「何が受け入れられやすいか」「何が反対を招くからいうべきでないか」を心配することは無益であって時間の無駄である。
(中略)
「何が受け入れられやすいか」からスタートしても得るところはない。それどころか通常この問いに答える過程において大切なことを犠牲にし、正しい答えはもちろん成果に結びつく可能性のある答えを得る望みさえ失う。(P.F.ドラッカー著、上田惇生訳「経営者の条件」、ダイヤモンド社)
「僅かでも使命の達成に向け、前進できていない妥協は、”正しい妥協”ではない。」ということだ。
以前、”意思決定に深刻なダメージを及ぼしうる3つの原因”についての紹介をした日があった。単純に言うと、我々は往々にして①怒った時、②焦った時、③目立った時、に誤った判断(意思決定)をしてしまう。一瞬にして目的を見失ってしまうことさえある。
その様なときこそ、誰かが「それは違うんじゃないか。我々の目的は…」と言える場づくりが大切だ。組織外の方でも良いので、真の意味で、組織の使命を理解し、忠告してくれる顧問を持とう。
以下は、何らかの目的で外部コンサルタントと契約している(または契約する予定のある方)場合に考慮したい点だ。
各種コンサルタントは、先程のような忠告をすることも義務だろうが、その多くは”契約解除”を恐れ、プロとして忠告することから逃げてしまいがちだ。この原因は双方にある。
①契約者側(特にトップ)が使命達成に本気でない
②契約者側(特にトップ)の本気度が相手に伝わっていない
③コンサルタントによるプロ意識の欠如
この様な場合は、(勿論、もしあなたが使命の達成に本気なら…)改めて組織の使命を説明し、くだらない妥協抜きに少しでも前進したい気持ちを伝えることだ。その過程で、ストイックに「何が正しいか」を話し合うことがコンサルタントの重要な任務であることも繰り返し強く伝えておく必要がある。
この話し合いができれば、きっと彼等は今までになく真剣にあなたの組織を見てくれるに違いない。
万が一、このような話し合いをしても言動や行動が一変しないコンサルタントが居たとしたら、それ以上、費用を払ってまで付き合う必要はない。
Today's Questions.
Q:難しい選択に迫られたとき、正しい妥協を助言してくれる人は誰ですか?
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10月5日”誰かの仕事として期限を定めない限りいかなる意思決定もないに等しい。”
明日は本日の内容と重複するので、お休みさせていただきます。明後日は、「期限を定めることの大切さ」について。お楽しみに。
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