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2009年10月6日火曜日

”意思決定においては意見の対立がなければならない”

 
本日の”ドラッカー 365の金言”は、意思決定における対立の重要性について紹介されている。我々は日頃、何らかの決断をする際に議論に参加する全員の意見が一致するようファシリテイトしてしまう。しかし、本日のページで紹介されているGMのアルフレッド・スローン Jr.(1875〜1966)のファシリテイト(議事進行)は全くの逆だ。意図的に意見が対立する様、議論を進めさせている。

そして、その目的は以下の3つにあると、ドラッカー教授は言っている。

①組織の囚人になることを防ぐ
②代案を手にする
③想像力を引き出す

たしかに、何らかの結論が出てしまうと、我々は全く考えようとしなくなってしまう。何となく落ち着いてしまい、他の方法や、隠れたリスクに目が行かなくなってしまう。

以前、「脳は、欠けている部分を無意識の内に埋めようとする。」といった話を聞いたことがあるが、その例として、商品の価格付けについての話があった。

我々がよく目にする1,980円、39,800円といった、半端な数。プライスタグをこのように半端な数に設定することで、脳は一種の不快感を示し、「あと少しでぴったりになるのに。」と、その数を埋めよう(安定させよう)とする作用が働くらしいのだ。

その結果、自らが購入することによって、その数を補填しようとしてしまうらしい。これらの価格がもし、2,000円や40,000円だったとすると、その状態で満たされているため、新たな行動(この場合、買うという行動)に繋がらないというのだ。

議論の場でも同じ事が言える。声が大きい者の、”何となく正しそうな”意見に従うことによって、周囲との衝突を避け、その決断によるメリット&デメリットや、他の方法を考え抜くことから無意識に逃げてしまう。

しかし、安易に固めようとせず、”不安定な状態を楽しめる組織”というのは、実は極めて難しい。日頃よりトップが問題や意見の対立を期待し、自由な議論を奨励する環境を作り続けなければならない。

個人的には、議論の場で、誰かが最もらしい意見を言った際、それを聞いている人たちの表情をよく観察し、反対意見を引き出す様に工夫している。

議論の際、口火を切る者が決まってくるが、その意見を聞いた周囲の人が若干目線を落として、頷いていたのが止まる人が見つかる。そんな時、きっと頭の中では「(でもなぁ・・・・・・・・。)」という思考が展開しているのだろう。

そうしたときは、私が「え〜〜〜〜、本当にそうかなぁ・・・・。○○さんだったら、どうします?」という具合に聞いてあげると、その人から反対意見が出やすくなる。まずは出た意見に軽く反対してしまうのがオススメだ。

他にも、あえて下座や部下と同じ場所に座ったり、自分の椅子を少し後ろにずらして座る事によって、自分の発言力を意図的に低下させたり、なるべくスーツを着て参加しない、安易に時計を見ない、腕を組まない等々、小技はたくさんやってきた。

しかし肝心なのは、全員が均等に反対意見を出し合える雰囲気をつくり、全員で考え抜けるような場を提供することで、それを継続することによって、組織の自立を促すことができるのだと思う。


Today's Questions.
Q:”やるため”の衝突ではなく、”やらないため”の衝突になっていませんか?
Q:正しい意思決定より会議の終了時間を優先させていませんか?
Q:意思決定の際に意見を言わず、後々不満を言うことを許していませんか?

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10月7日”1つでも必要なステップを省くと意思決定はできの悪いかべのように崩れる。”
意思決定のステップについての説明が続きます。明日もお楽しみに。

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