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2009年10月15日木曜日

”意思決定のレベルには、2つの原則がある。”(P.F.ドラッカー)

 
本日の”ドラッカー 365の金言”では、意思決定を”行動に近いレベル”で行うことの重要性について説明されている。

われわれは、つい高いレベルに居座りながら、現場の意思決定を行ったり、低いレベルに居座りながら、高いレベルの意思決定をしてしまいがちだが、ドラッカー教授は、問題の中身をよく見ながら、視点の高低を柔軟に変化させ、なるべく行動に近い低いレベルで意思決定することが重要だ、としている。

一眼レフのカメラで例えると、常に単焦点レンズを使うのではなく、ズームレンズを使い、対象物によって最も理想的な状態で見える場所を探しましょう、という感じではないだろうか。

そして、意思決定の対象となる問題を、以下の4つの分類に分けて検討し、どの程度のレベルで意思決定すべきかを考えることを勧めている。

①意思決定が影響する時間の長さ
②意思決定が影響する範囲(部門、分野等)
③定性的要因の数(価値観、信条)
④問題の連続性(例外的・一般的)

以前、9月3日の記事において「リーダーは時として、部下達と共に戦っていた”戦場”に背を向け、一人丘の上に向かわなければならない。そしてそこから戦場をしばし観察する必要がある。」と書いたことがある。

まさにこの時が、”ズーム”を変える瞬間だ。現状維持を続けることによって、問題が深刻化したり、機会を逸する場合は新たな意思決定が必要となり、リーダーは視点のレベルを変える(この場合はズームアウトする)必要があるのだ。

経験上、日本には「低いレベル」に居座りたいリーダー、海外では「高いレベル」に居座りたいリーダーが多い様に思う。対応する相手(問題)に合わせ、われわれは心地よい場所に執着することなく、視点を変えることで大きな成果を生む事ができるのだと感じた。

以前、NHKの「プロフェッショナル」に登場した、京都市立堀川高等学校の荒瀬克己校長は、良き黒子として場の空気を感じ取る名人に見えた。そして彼は最後に、「プロフェッショナルとは、『やるべきときにやるべき場所にいて、やるべきことをしっかりする人。そして人事を尽くして天命を待つ。そういう人だと思います。』」という言葉を残してくれた。


Today's Questions.
Q:常にズームを変えて、対象となる問題を見ていますか?

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10月16日”決定的な権力が正統性を欠くとき、社会は社会として機能しない。”
組織の正統性についての説明です。お楽しみに。

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