本日の”ドラッカー 365の金言”は、環境保全における国際協力のあり方について描かれている。原著”The Daily Drucker”の本日のタイトルは、”Government in the International Sphere”となっており、”球体”としての地球全体を見据えた、強い意思決定機関の必要性を伺える。
われわれは、海洋汚染、地球温暖化、オゾン層破壊など、人類の生存環境の破壊をともなって生産された財の貿易を禁ずることにより、それらの行為を事実上禁止することができる。(P.F.ドラッカー著、上田惇生訳「断絶の時代」より、ダイヤモンド社)
このページで重要なのは、地球がこのような機関を手にするには「国家主権の犠牲が必要である。」という点だ。地球を意識して意思決定をするためには、「国」という概念を捨てる必要があるのだ。
たしかに、国という「壁」を無視して考えることができると、我々の取り組みは大きく変化するはずだ。地球全体を住みやすい場所に戻すためには、各国の強みを最大限に活用する必要がある。
しかし、なぜこの実現が難しいのか?
われわれは他者に協力しないための「壁」を作る(あるいは見つける)のに長けている。「壁」は、国だけでなく、先日の記事で登場した宗教や政党のほか、性別、人種、学歴、会社、部署、思想、収入・・・等々、様々なカテゴリーによって作られ、人々はそれに依存することで、自分自身の良心の声から身を隠してしまう。
「あの人(または人達)は(私とは異なる)○○だから。」と言って逃げる。
では、なぜ協力から逃げるのだろうか?
ひょっとすると、我々は資本主義によって世界の全てが「ゼロサム・ゲーム」でしかないのだと、信じて疑わなくなってしまっているのかも知れない。
特に政治家の国家間交渉からは、それを強く感じさせられる。未だに「私の国からこれをあげるから、あなたの国からはこれをよこしなさい。」などといつまでもやっているのだ。問題が悪化するスピードの方がよほど早いのは当然だ。
今世界が必要としているのは、全地球規模で意思決定できるリーダーである。自国の利益を最優先させる国には難しい。この点において新しい米政権は従来より賢く映るが、強烈な愛国心を植え付けられたアメリカ国民には地球レベルの意思決定など極めて難しいはずだ。
私は、これまで世界中の方と付き合ってきた経験から、冷静且つ客観的に考えても、われわれ日本人がこの仕事の中心的役割を担うべきであると考えている。
これは決して私の愛国心から来る安易な”希望”ではなく、この国の歴史、気質、風土、地理的環境など、様々な視点から見て、思うところなのだ。まずは我々が地球規模の意思決定を始める事で、地球が「ノン・ゼロサム」である事を立証できると信じている。
Today's Questions.
Q:地球規模の意思決定において、真の愛国心をどのような行動で活かすことができますか。
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10月26日”労働組合が活力を取り戻すには自ら根本的に変身しなければならない。”
労働組合の存在価値とは?お楽しみに。
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