本日の”ドラッカー 365の金言”は、誤った問題提起に対応する危険性について説明されている。
本日のページでは、労働災害についてデータの集計方法を誤った工場が紹介されている。組織運営の場においては、こうした”問題提起そのものが間違っている”場面というのは極めて多く、組織の時間を浪費させ、急速に弱体化させる大きな原因になりかねないので注意していきたい。
我々に持ち込まれる様々な問題は、そのそれぞれが「なるほど、そういう問題もあるのだろうな。」というもので、相談される側に中途半端に問題解決力があったり、面倒見が良かったりすると、「よし、分かった。そういう時はね…。」と、早速問題解決に乗り出してしまう。私自身にもこの傾向が非常に強かった。
一方、私の兄は、何か質問すると、すぐには教えず、「調べてごらん。」というタイプで、部下から持ちかけられた問題を聞いても、まず「本当に?本当にそうなの?」と問い返す。真因が掴めないと動かないのだ。私としてはそれに苛立つことも多々あったが、結果として彼の方法がより効率的であることに気付いた。
幸い(?)、最近では彼と話さなくても、頭の中で「本当に?」というささやきが聞こえる様になってきてしまった。
表面化している問題(あなたの下に持ち寄られた問題)は、海面上に見えた氷山の一角であって、そこを取り除いたとしても、異なる部分が浮かび上がってくるだけなのだ。このそれぞれを個別に対処していたのでは埒があかない。
また、こちらの依頼無しに、いつも詳細なデータ作成をしているスタッフには特に注意したい。まず、なぜそういった行動(統計を取る)に至ったのか?を確認していくと、単に時間をもてあましている場合や、何らかの交渉のために膨大な時間をデータ作成に費やしている場合が殆どだ。いずれにしても、直ちに現作業を中断させ、”未来の時間(明日を作る時間)”に置き換える必要がある。
これまでの経験からして、”間違った問題提起”の大半は、”個人的な期待や願い”から生まれる事が多い。真の問題とは言えない問題に、組織の多くの人が貴重な時間を割くようなことがあってはならない。
Today's Questions.
Q:その問題は本物ですか?
Q:明日に繋がるデータが作られていますか?
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10月12日”意思決定を行ってからその中身を売り込むのでは満足な実行は期待できない。”
明日はお休みさせていただきます。明後日は、実行に関わりのある人全てを巻き込む大切さについての紹介です。お楽しみに。
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