本日の”ドラッカー 365の金言”は、重要な意思決定の継続的レベルアップについて紹介されている。ドラッカー教授は、期待する成果を記録しておき、9ヶ月後あるいは1年後にそれを現実の成果と対比(フィードバック)させる事で、継続的に意思決定において一流になることができると伝えている。
個人的に思うのは、目標が達成できる時と、できない時の違いは、「組織のメンバーが目標となる『より魅力的な状態』をいかにありありとイメージできているか」という点ではないかと思う。そのイメージが定量的であれ、定性的なものであれ、リアル感に欠けたり、魅力あるカタチで理解されていないと、その目標を達成するのは難しい場合が多い。
この点において、当社ではまだまだ仕組み化が十分で無い様に思うが、今まで実践してきたのは、マインドマップで目標とする状態を共有したり、それに向けた個々の状態を”振り返りシート”という名の、○(良かった点)と!(改善するための具体的行動)が書かれているだけのシートを毎月の締日に書いてもらう、という方法だ。
大人数の部下を持つプレイング・マネージャーが、部下の一人ひとりとコーチングで目標の達成状況の把握やフィードバックを行うには限界があるし、無駄が多い。真の成長とは、誰かに演出してもらうのではなく、一人ひとりが自分の成長と真っ正面から向き合うことで実現するのだと思う。
決してコーチングの効果を否定するわけではないが、克己心が強い日本人には、過度のコーチングはかえって邪魔になってしまうのではないかと思う。日本人は外国人に較べ、自らの成長や精神状態に第三者が介入することを生理的に嫌う傾向が強いと思うのだ。そのため、フィードバックは主として自分で行える環境を整備してあげた方が、本人の自信にも繋がってくることを実感している。
さて、先程の「振り返りシート」だが、なぜ○と×ではなく、○と!なのかは、このブログを読まれてきた方には、なんとなくご理解いただけるのではないかと思う。フィードバックにおいては、×(良くなかった点)を詳細に明文化しても意味がないと考えるからだ。
×(良くなかった点)を探すことで、脳が逃げてしまい、言い訳じみてくるため、真因は闇に葬られる。その結果、この思考は”過去の時間(明日を創ることのない時間)”となってしまう。×ではなく、!(改善するための具体的行動)を自分への”誓い”として考えることで、目指す状態との乖離を埋める方法を積極的に考え、”未来の時間(明日を創る時間)”にできる。
この「振り返りシート」の運用で注意すべき点は、①「特になし」という記入を許可しない事と、②○と!を可能な限り同じ量を書く事である。いずれも自分の成長具合に、文字通り”真っ正面から”向き合うために必要不可欠な条件だと思う。
さて、当社では色々な場面で「それ、○と!で教えて。」と言えば、大抵「え〜、…分かりました。」という反応でA4一枚にまとめてくれるようになってきた。かたくなに拒否されないのは、このシートによる”セルフコーチング”によって、思いがけない発見があることを本人達が理解しているからではないだろうか。
自己管理によって、人は初めて前に向かって着実に踏み出すことができるのだと思う。
Today's Questions.
Q:目標達成時の光景を、組織でイメージできていますか?
Q:自分の成長に責任を持たせていますか?
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10月15日”意思決定のレベルには、2つの原則がある。”
明日のDrucker365は、行動に近いレベルで意思決定することの重要性について。お楽しみに。
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