本日の”ドラッカー 365の金言”は、中間管理職層のスリム化と組織のフラット化についての説明。
ドラッカー教授は中間管理職層(以下、ミドル)のスリム化の為には、ポストが空いたらしばらく静観し、問題なければそのままポストを廃止することを薦めている。
またもう一つの方法として、若いミドルに対して仕事の内容をより挑戦的にしたり、他の部門を管理させたりすることで、その時点での昇進は無くてもやりがいを感じられる職場作りを薦めている。
当社でも以前は元気の良い団塊世代がミドルの多くを占めていた。その当時はなかなか若い者に何かを決定するようなチャンスが廻ってこないため、若いスタッフには常に不満や当時のミドルに対する不信感があったように思う。
また当社の過去に例を見ると、ミドル層で空いたポストに外部で実績のあった人を中途採用したことで失敗に終わるケースが多かったため、たとえポストが空いても絶対に新しい人を入れず、経営者やその他のミドルが兼任するか、社内から選出するという(社員から見れば全くいい加減な)方法を徹底してきた。
同時にリーダーと呼ばれる主任クラスの人を増やし、並列にして協力してもらうことで、複数人数によってミドルの役割を兼任させることができている。
最近、あるリーダーにこんなことを言われたことがある。
「自分が昇格すると、組織の運営がやりにくくなる。会社が期待する仕事はよく理解し、頑張るので、給料も役職もそのままではダメですか?」
昇進から逃げるには出来過ぎたコメントだと思ったが、この言葉は、単に「昇格による自立からの逃げ」としては片付けられない深い意味を持っていると感じた。本人はそれほど気づいていないが、こうした言葉は1グループのリーダーが組織全体を見ながら初めて言える言葉だったからだ。
彼にとっては昇格や昇給が第一の目的ではなく、組織が円滑に回すことが優先されている。この状態を目指してきたにも関わらず、実際にそう言われると驚いてしまった。
社内に一人でもこのような感覚の人が育ってくると、組織の雰囲気は音を立てるように変わっていき、(極端な話)ミドル不在でもなんとか運営可能になってくる。
そして彼等(または彼女等)ではどうしても決定できない領域(会社方針や組織全体におけるリソースの再配置等)の障害物を迅速に取り除くことが経営者にとって重要な仕事だと思う。
Today's Questions.
Q:ポストが空いたら、急いで埋めることが優先されていませんか?
Q:昇格させなくとも、若者達に成長の機会を提供できていますか?
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12月1日”もしそれが意味ある変化であるならばいかなる機会をもたらすか。”
ドラッカー教授は自らを”社会生態学者”であると言っていました。社会生態学とは一体?明日もお楽しみに。