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2009年10月9日金曜日

”最も多く見られる誤りは一般的な問題を例外の連続とすることである。”

 
本日の”ドラッカー 365の金言”は、意思決定における、問題の種類の見極め方について紹介されている。問題がどの種類に属するのかを把握できないと、いつしか(昨日紹介した様な)大規模な外科手術が必要になってしまうからだ。

個人的にも、この”見極め”ができるようになってから、時間の使い方が大きく変化したように実感している。

ここでドラッカー教授は、問題には大きく分けて2つの種類、”一般的な問題”と”例外的な問題”があるとしている。

そして、”一般的な問題”については原則と手順を通じて解決し、”例外的な問題”については、その状況に従い、個別の問題として解決しなければならない、とし、この2つを更に4つの種類に細分化して説明している。

①一般的な問題の兆候に過ぎない問題
②当事者にとっては例外的だが、実際には一般的な問題
③本当に例外的で特殊な問題
④例外的に見えるが、一般的な問題の始まりでしかない問題

まず①だが、職場で起こる殆どの問題がこの種類だ。各職場で日々、膨大な数の問題に対処しているが、その問題の真因は実は別の部署に潜んでおり、問題が発生している職場だけではそれを根本から解決することができない。組織全体を見た上で解決をしないことには、問題はいつまでも組織全体を蝕む。

②は、当事者にとっては馴染みのない問題で、対処に困るが、見る人によっては当たり前、という問題だ。「経営者の条件」では”合併の申し入れを受けた”場合が紹介されているが、他にも様々な場面で見られる。

トヨタ生産方式等のカイゼン活動では、当事者が「もう何を工夫しても絶対無理だ。」とパニックに陥っていても、専門家からすると「なぁに、そんな時はこういう方法もありますよ?」といくつも引き出しがあることに心から驚く。このように、②の場合は、他から学べば良い。

③は、本当の意味で”あり得ない”問題を指す。”全く予測できなかった問題”や”誰もが気づきも、考えもしなかった問題”と考えればよいだろう。よって、大地震さえも(地域によって異なるが、)「真のイレギュラー(例外)か?」と聞かれると、素直には頷けない。事前にダメージを予測し、ある程度はそれに準備できることだからだ。こうした問題は個別に対処する必要がある。

④は、③の様な例外的問題に見えて、今後連続して表れてくる一般的問題だ。基本原則さえ押さえれば一挙に解決する問題にも関わらず、「特殊な問題だ。」と個別に対処することで、常に火消しに廻ることになってしまう。

この様に、本当に例外的な問題というのは極めて少なく、殆どの問題は基本的な原則によって対処可能な”一般的な問題”ということが分かる。きめ細かい意思決定をしなければならない状態は、問題を”例外”として捉えているからであって、”一般的な問題”であることを認めない限り、永遠に同じ場に居ることになるのだ。

「経営者の条件」の同じ箇所で、ドラッカー教授は、「成果をあげるエグゼクティブは、多くの意思決定は行わない。(中略)原則や方針によって一般的な状況を解決していく。」と言っている。


Today's Questions.
Q:その問題は、本当の意味においてイレギュラー(例外)と言えますか?
Q:どの様にすれば再発を予防できますか?

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10月10日”間違った問題提起への正しい答えほど修正の難しいものはない。”
正確な情報によって行動しないと、大きな過ちに繋がるといった内容です。お楽しみに。

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