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2009年10月29日木曜日

”マーケティングとはサービスの受け手の側に立つことである。”(P.F.ドラッカー)

 
本日の”ドラッカー 365の金言”は、非営利組織(以下、NPO)のマーケティングについて。営利目的の営業活動にくらべ、非営利活動には、より相手の立場に立ったマーケティングが不可欠となる。

原著「The Daily Drucker」の本日のページで、ドラッカー教授は、非営利組織について以下のように説明している。非常に興味深い箇所なので、引用したい。

The nonprofit institution is not merely delivering a service. It wants the end user to be not a user but a doer. It uses a service to bring about a change in human beings. It attempts to become a part of the recipient rather than merely a supplier.(P.F. Drucker, "The Daily Drucker", p.329, Harper Business)

NPOは、単にサービスを提供するするのではなく、ユーザーに利用者としてだけでなく、行動する人になってもらうことを目的としている。NPOは、人間に変化をもたらすためにサービスを活用し、サービスの提供者としてだけでなく、同時に受益者になろうとする。(同上 中村克海訳)


ここで感じたのは、非営利活動だとしても、”価値”としての”Profit(利益)”を目論んで活動していることを、相手にしっかりと伝えなければいけない、というメッセージだ。

NPO活動において、周囲に協力を要請したり、サービスを提供すると、必ずと言っていいほど耳にするのは、「なぜ(ボランティアで)そんな事をしているの?」といった一種の猜疑心から発される質問だ。

せっかくこちらから今までにない素晴らしいサービスを提案しても、協力者やユーザーの「なんで?」という猜疑心を取り払うのに時間がかかり、プロジェクトがスローダウンしてしまう、ということを今まで何度か経験してきた。

このページに登場する有名な詐欺師の言葉、「ブルックリン橋は、贈るより売る方がやさしい。」からも分かる通り、我々はどこかで「ただより高いものはない。」という意識を持っている。

そのため、この”猜疑心”を取り払うためのマーケティングなしには、良くできた非営利サービスも円滑に広めることが困難だ。優れた商品を値札無しに陳列しても評判にはならないのだ。

マーケティングとは、相手(受け手)に乗り移ることによって、自らの組織(提供者)にしてほしいことをそのまま感じ取り、実行するまでのプロセス全体を指す。

マーケティング不在のNPOは、つい「我々はみな、こういうところで困ってるんです。だから、こういうサービスがあったら便利じゃないですか。どう考えてもあなたにはリスクがないのに、なぜ協力(または利用)してくれないんですか?」と自らの都合を前面に出して相手を追い詰めてしまう。これではエゴ丸出しの押し売り(sales)だ。

なぜそうした活動を始めるに至ったのか?サービスの提供者と受益者、双方のメリットとデメリットは?この辺りを率直に見える化できれば、”無形の支払い”を済ませる事ができる。

まずはその”無形の支払い”を済ませ、より円滑に豊かな社会を構築していこう。

追記:そういえば、当ブログについてもその辺を明確にしておく必要がありますね。後日、明記したいと思います。


Today's Questions.
Q:「無償の愛」は存在するのでしょうか?
Q:NPOであることによって、気持ちの上で相手の上に立ってしまっていませんか?

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10月30日”募金とは資金源開拓のことである。”
本日は投稿が遅くなりまして、ご迷惑をお掛けいたしました。明日は、募金による資金繰りが仕事になってしまいがちなNPOについて注意すべき点が描かれています。明日もどうぞお楽しみに。

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