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2009年10月16日金曜日

”決定的な権力が正統性を欠くとき、社会は社会として機能しない。”(P.F.ドラッカー)

 
本日の”ドラッカー 365の金言”は、「産業人の未来」からの抜粋で、自由、平等、気高い権力に基づく組織制度こそが、自由、平等、気高い社会を生むことができる、といった説明となっている。

当社の組織運営に関わり始めてから、10年が経とうとしているが、その間には、”性悪説”に基く意思決定を社員に押しつけ、失敗した経験も多々ある。

各プロジェクトがうまく進まないことを社員のせいにして、懲罰的な制度を設けたり、くだらない理由で人の配置を変えることで、問題の再発防止を期待する一方、社員との信頼関係を大きく傷つけ、成果から自らの組織を大きく引き離していた。

しかし、コミュニケーションや心理学について学ぶ中で、”強みに焦点を合わせる”ドラッカー思想と出会い、「やはり、そうなのか。本当に”社員は社長(経営者)の鏡”だったのだ。」と痛感した。

組織においては、一つ一つの意思決定に、それを行う者(多くの場合は、経営者や幹部)の魂が宿る。何らかの制度を発表する場合、それを言い渡されたスタッフは、制度そのものの目的に加え、非常に多くのことを直感的に感じ取る力を”全員が”持っている。

・それは私たちにとって、どの様なメリット(自由&平等、収入増、成長、深い絆、安定等)があるのか?
・なぜ経営者はそうした制度を作るに至ったのか?
・経営者は何を目論んでいるのか?
・会社の将来にとってどうなのか? 等々...

もちろん、一つ一つの意思決定にこれらを整理して考察するようなスタッフはいないが、そうした制度を発表されたスタッフの表情を見れば何らかの違和感に気付くはずだ。

その”違和感”に嫌悪感が帯びているように感じられるのであれば、意志決定者は、それがどこから来ているのかを再考する必要があるだろう。なぜなら、もしそれが、社員の自由、平等、気高さを脅かすものであるならば、遅かれ早かれ、その意思決定は無駄に終わるからだ。

さて、経営者でも幹部でもないという方は、先程の”社員は社長の鏡である”という言葉を見て少々がっかりしてしまったかもしれない。しかしドラッカー教授は、成長においては、”上司と部下の距離は一定である”といった言葉も残している。

「自分(上司)はさておき、部下の成長を。」というのは成立しないということだ。よって、部下が気高い意思決定を継続することによって、いつしか上司もそれに従い、正しい意思決定をするようになるものと信じている。

以上のことから、より自由で平等な、気高い社会を望む人は、まずは自らが属する最も身近な組織(家族、会社、非営利組織、地域等)において、これらを重んじることから始めよう。その小さな活動が、いつしか社会全体を動かす事に繋がるはずだ。

個人的には、この数年で、世界中で急速にその兆候が見え始めてきた様にも感じられる。


Today's Questions.
Q:より自由で平等な、気高い社会のため、あなたにはどの様な貢献ができますか?

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10月17日”宗教は、神の王国を捨ててまで社会を受け入れることはできない。”
宗教の役割についての説明です。お楽しみに。

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