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2009年11月21日土曜日

”分権制の強みの1つが若いうちにトップ要員を識別できることである。”(P.F.ドラッカー)

 
本日の”ドラッカー 365の金言”は、分権制による権限委譲とそれが実現するリーダーの育成について。

ドラッカー教授は、”大規模かつ複雑な組織を小規模かつ単純な複数の事業に分割する”ことにより、責任を伴った権限を与える機会を増やすことで、組織を人材育成機関として機能させましょう、と伝えている。

大きな責任を抱えながらも、なされるべき事を自らの意思で選択できる人は、見ていて実に美しい。組織は仕事を通じてその様な人を育み、輩出する力を持っているという意味において、まさに”無限の存在”である。

私の仕事には、”働いている人”と話す機会以外にも、”入社する人”と”退職する人”と話す機会がある。退社する人を見ていつも自分に問うのは、「当社がその人の強みを存分に引き出すことができたのだろうか?」という問いだ。

残念ながら、この問いに対し、自分自身が満足できたことは未だかつて一度も無い。常に、「あの部署を任せられたのではないか?」とか、「あの人の教育を任せられたのではないか?」という後悔に似た問いが頭をよぎる。

チャレンジングな仕事を任せることで、より”責任ある選択”ができる人に育てることができたのではないかと感じているのだ。

会社運営の醍醐味は、”顧客に感謝された”瞬間よりも、”人の成長の瞬間を、近くで見ることができた”瞬間に感じる。

その”成長の瞬間”というのは、多くの場合、何らかの課題を目の前にして延々とスタッフ本人の抵抗が続いた後、ある日突然やってくる瞬間を指す。

「俺(私)、やります。」

責任ある仕事ほど、その者に自立を余儀なくする。今までのように言い訳できないことを無意識で感じるからこそ、その人は悩み続け、逃げ続けるのだ。

しかし自分との葛藤の末、この言葉が聞ければ、その人の成長はまずは一安心だ。あとは全力で進むのを見守りながら、障害となる部分を支援していけばよい。

いかなる仕事でも強制的にやらせてしまう方法の方が、その時点では速いかもしれない。しかし、私はあえてこの”自ら選ぶ瞬間”を辛抱強く待つことにしている。一方的な命令では得られない”加速度的な成長”が後からやってくることを信じているからだ。

大規模な組織ではないので、そう簡単に事業を分割させることはできないが、今後もより多くの”選択の機会”を提供し、一人ひとりが”経営者”の如く意思決定できる環境を整備していこうと思う。


Today's Questions.
Q:今日、トップが居なくなっても組織として機能しますか?
Q:事業部の独立採算について話し合われていますか?

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11月23日”全体と未来にかかわることはトップマネジメントの専管である。”
明日はお休みとなります。明後日のDrucker365は、「トップマネジメントの専管」について。あくまでもトップマネジメントが決定すべきこととは?お楽しみに。

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