本日の”ドラッカー 365の金言”は、企業買収を成功させる方法についての説明。約一週間は企業買収と提携に関する説明が続く。
当社にとって企業買収の話はあまり身近とは言えない。しかし、これらのページを拡大解釈することで、組織内部にも応用することができると同時に、企業買収自体についても以前より前向きに考えられるようになった。
ドラッカー教授は、企業買収はもっと成功していてしかるべきであり、多くの失敗の原因は以下の6つの原則を守っていないことにある、と言う。
①財務戦略ではなく、事業戦略に基づいた買収か?
②買収する側が、買収される側に貢献できるか?
③両者が何らかの強みを共有できるか?(市場、マーケティング、技術、卓越性等)
④買収する側が、買収される側に敬意を持っているか?
⑤買収した側が、買収された側に、遅くとも一年以内にトップ・マネジメントを送り込んでいるか?
⑥買収した側と買収された側で多数の人を昇進させているか?
企業買収は、”財務的な戦略”に基づく一方的な攻撃という悪いイメージだけがメディアを通じて浸透してしまったが、社会にとっては”なされるべき”買収も身近な場所に多々あると思う。
例えば、近所で美味しい飲食店。美味しくて安い食材の仕入れルートや料理の腕は類い希なものがあって、経営者は真剣そのものであっても、マーケティングやマネジメント、技術継承の知識が全くないことから経営難に陥っていたりする。
この様な”社会にとって「残すべき強み」”を残し、強化する事が、良い買収や提携によって可能なはずだ。
企業買収の後の組織を訪れると、あらゆる人の表情が暗く、お互いに弱みを指摘しあっていて、それが永遠に続く気配さえ感じるが、事業戦略無しに、全くの財務戦略のみで企業買収が行われることは非常に稀だと思う。
事業戦略的に何らかの意図があったはずだが、現業を担う現場にその意図が全く伝わっていなかったりするのだ。説明不足の状態が長引けば長引くほど、溝は深まってしまう様だ。
人間関係と同様、対等な立場で改めてお互いの持てる強みに焦点を合わせ、社会にとって重要な強みの強化に集中していただきたいと常々感じる。
Today's Question.
Q:どの様な組織を買収したら、上記6つの原則をクリアできますか?他業種も含めて検討してみましょう。
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12月13日”企業買収は、買収する側が買収される側に何を貢献するかによって成否が定まる。”
明日は”財務より事業”というお話なので、お休みします。明後日またお会いしましょう。
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