本日の”ドラッカー 365の金言”は、内部告発のもつ二面性について説明。ドラッカー教授は、「不正なことを公にする権利は誰もが持っているし、法律違反等の”重罪”と言える程の不正については公にすべきである。しかし、それ以外の内部告発を奨励すると、信頼関係を傷つけることになる」といった見解を示している。
ちなみに、原著「The Daily Drucker」の本日のタイトルは、”The Whistle-blower”となっている。直訳すると「警笛を鳴らす人」という意味で、内部告発者や密告者を指す。
ドラッカー教授は、原著において”重罪”の定義を以下のように説明している。
”部下やその友達、子供、妻が黙っていられない程、著しく正当性を欠いたり、法を犯したりするような上司や組織の不正”
たしかに、最近のニュースではこれらに当てはまらない様な、比較的小さな問題についても当事者間で対処されることなく、公になっているように感じる。
多くの場合は上司や経営者が再三の訴えを放置してきた結果だろう。しかし事細かな点について個人が告発といった権利を行使することにより、組織の存続に影響が出てくるのであれば、慎重に判断しなければならない。
被害者本人や告発者の気を晴らすことはできるかも知れないが、組織に関わるその他の人の生活を危険にさらしたり、主たる顧客に多大な迷惑をかけてしまう可能性もあるのだ。
実際の所、我々はこうした状況を予防することしかできない。そのためには内部告発を奨励するのではなく、諸問題の対処を淡々と進められる”チームづくり”が重要だ。
万一、何らかの問題を知らされても、「え!本当か!?それは大変だ!」と個人的な好奇心に流され、事を荒立ててしまってはいけない。
その問題を組織全体の問題として扱い、「なるほど、ではどうしようか。みんなで検討しよう。」という雰囲気があれば、チームの成長機会として活用することができる。
日常的にこうした話し合いを継続することで、取り扱われる問題のレベルがより高度になり、以前では誰もがタブー視してきた事柄を比較的気軽に自己解決できるようになると感じている。
Today's Questions.
Q:興味本位で告発者の話を聞いていませんか?
Q:自らタブーを生み出していませんか?
Next Page is...
12月22日”よいことを行うには よい業績をあげなければならない。”
明日からクリスマスを意識したページが続きます。お楽しみに。
0 件のコメント:
コメントを投稿