本日の”ドラッカー 365の金言”は、企業買収を成功させる6つ目の原則についての説明。買収後数ヶ月の内に両社の人間を相互に異動させ、昇進させることの重要性について書かれている。
このページには、買収した側と買収された側の間に生まれる「目に見えない鉄のカーテン」が消えるのに一世代を要する、と書かれているが、私が知る限り、それ以上続いている組織も存在するようだ。
本日のページを通じてドラッカー教授は、”一人ひとりが買収を機会として捉えられる環境を整えなさい”と伝えている。
たしかに、長く”鉄のカーテン”が続いている組織には「(買収には)何のメリットも無かった。メリットがあったのはトップだけだ。」という雰囲気が蔓延しているように思え、社員の目に情熱が感じられない。
しかしこれでは優秀な人材から出て行ってしまう組織となり、加速度的に弱体化してしまう。買収後、優秀な若手のマネジメントや専門家の流出を防ぐには、今まで以上のやりがいを提供することが必要なのだ。
ドラッカー教授は、ハーバードビジネスレビュー( 1965年 11-12月号)の「企業が魅力的であるために」という論文において、「優秀な若者が求めるのは、やりがいと機会、知的且つ金銭的見返り、社会的且つ倫理的リーダーシップである。」とし、このように語っています。
「私は『あの新入りに(優秀な若手マネージャー)この仕事は小さすぎる。もっと大きな仕事にしよう。』という声を聞いたことが殆どありません。しょっちゅう耳にするのは、『あの若造には、この仕事は重すぎる。もっと軽めな仕事をさせよう。』という声です。」(ピーター F. ドラッカー)
買収後は、双方の優秀な人間を入れ替え、”今までと同様の仕事ぶりでは処理できないレベルの難しく重要な任務”を与えよう。その結果、優秀な人材はその場に初めてメリットを感じ、リーダーとしての能力を自ら高める必要性を感じるのだと思う。
Today's Questions.
Q:トップ自らが買収後の組織を一つの大家族として捉えられていますか?
Q:「あの仕事は優秀な彼でないと…」といって、同じポジションで仕事をさせていませんか?
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12月18日”事業において重要なことは法的な所有関係ではない。経済連鎖である。”
本日で企業買収についてはおしまい。明日からは業務提携についてのお話です。お楽しみに。
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