本日の”ドラッカー 365の金言”は、「すでに起こった未来」からの抜粋で、信仰(または信念)によって得られる”死ぬ覚悟”と”生きる覚悟”についてのお話。
原著「The Daily Drucker」でのタイトルは「The Unfashionable Kierkegaard(流行らないキェルケゴール)」となっており、実存主義の先駆者として有名な哲学者、セーレン・キェルケゴール(1813〜1855、デンマーク)の死に対する思想について触れられている。
なぜ”Unfashionable(流行らない)”となっているのかは定かではないが、個人的には彼の思想が人の生き方に責任を持たせる視点であったことから、あまり積極的に受け入れられず、一種の皮肉としてこのようなタイトルにしたのではないかと考える。
実存主義が芽生えるまでの哲学や宗教は、「死は避けられない絶望であり、死後神に救われるためには今を良く生きなければならない」といった考え方であった。
実存主義は、「実存は本質に先立つ」といい、人はみな予め本質(目的)を定められた存在ではなく、”自由の刑に処された”孤独かつ自由な存在であることを受け入れる。避けられない死までの期間をいかに充実させるのかは「今、現にここに存在している私」にとって自由であると説く。
ドラッカー思想の根底に脈々と流れる、私が最も好きな思想「責任ある選択によって真の自由を得ることができる」という概念は、この実存主義にヒントを得たものなのだろう。厳しさの先に待つ無限の可能性を持った世界を一日も早く実現するため、与えられた機会に全身全霊で強みを発揮していきたいと思う。
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12月26日”自由と安全が両立しないならば大衆は安全を選ぶ。”
時に人は自由を自ら放棄してしまう、というお話です。明日もお楽しみに。
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