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2009年9月30日水曜日

”個としての仕事ぶりと全体への貢献の双方を評価する報酬システムが必要である。”

 
本日の”ドラッカー 365の金言”は、報酬システムについての説明。報酬は価値や質のような無形のものを公平公正に数えられる数字に置き換えるという、非常に複雑な作業を伴うため、シンプルな報酬システムで運用し、それを常に変化させることが大切であると説いています。

繊細な内容だと思うので、原著「The Daily Drucker」から引用したい。

But the money in any compensation system expresses the most intangible, but also the most sensitive, values and qualities. No attempt at a "scientific formula" for compensation can therefore be completely successful.
(P.F. Drucker, "Manegement: Tasks, Responsibilities, Practices", Harper Business)

あらゆる報酬システムにおいて、”お金”は、価値や質という、最も掴み所のない無形のものであると同時に、最も繊細なものである。この事から、報酬システムに”科学的公式”を見いだす試みが、完全に成功することは無いと言える。(同上、中村克海訳)


我々は、何事にも”必勝法”や”勝ちパターン”を見いだし、そこに根拠のない安心感をもって依存してしまいがちだ。対象が複雑で有機的なものに対しては、なおさら確固としたフォーミュラ(公式)を当てはめたくなる。

先日、8月31日”マネジメントが変革と継続のバランスを実現する。”を書き終えた後に妻がヒントをくれたが、「綱渡りをする人は、常に”不安定”でないと”安定”しない。」ということだ。

常に揺れ動く綱の上では、安定したいがために体を硬直させると、たちまちバランスを崩し、縄から落ちてしまう。綱の上で目指すべきことは、”動かない安定”ではなく、”わずかな不安定状態”なのだと思う。僅かに崩れたバランスを瞬時に察知して対応することが大切だ。

報酬システムや評価システムにも全く同じ事が言える。何年も同じ方法で続けるのは賢明とは言えない。毎年、小修正を加えていくべきだ。

つまるところ、報酬システムが実際に扱うのは、”お金”ではなく、”心”だ。”算出”のためではなく、”認める”ために報酬システムは存在する。

心の小さな変化を、瞬時に察知し、大きくバランスを崩す前に対処する。だからこそ、人の評価において、我々が行うべき最も大切な事は、被評価者本人による、”自らと正面から向き合い、自己管理する”機会の創出なのだと思う。

推奨Post:
8月31日”マネジメントが変革と継続のバランスを実現する。”


Today's Questions.
Q:評定を伝えたとき、被評価者はどういう表情をしていますか?
Q:報酬を過剰に意識させる制度になっていませんか?

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10月1日”神々が見ている。”
明日は、完全主義についてのお話です。お楽しみに。

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